別れた後、「もう終わったこと」だと頭ではわかっているのに、気づけば相手のことばかり考えてしまう。そんな経験はありませんか。
私自身、別れを選んだのは自分なのに、いつまでも彼のことが頭から離れず、「どうして忘れられないんだろう」と自分でも不思議に思っていました。
今日は、その理由について、当時の自分を振り返りながらお話ししたいと思います。
頭では終わっているのに、心がついていかない

別れを決めた時点では、「これでいい」「これしかない」と、自分なりに納得していたはずでした。それなのに、いざ1人になると、気づけば彼とのやり取りを思い出したり、「今頃何してるんだろう」と考えたりしている自分がいました。
頭で理解していることと、心が追いついていることは、まったく別物なんだと思います。
関係が終わったという事実を頭では受け入れていても、心のほうは、まだその変化についていけていない。だから、考えないようにしようと思えば思うほど、余計に相手のことが頭に浮かんできてしまうんです。
「なぜ」を何度も考えてしまう
別れてからしばらくの間、私は「なぜこうなったんだろう」「あの時ああしていたら違ったのかな」と、同じ問いを何度も何度も繰り返し考えていました。答えが出るはずもないのに、考えずにはいられなかったんです。
今振り返ると、これは「答えを見つけたい」というより、「まだ終わったことを受け入れたくない」という気持ちの表れだったように思います。答えを探し続けている間は、まだその関係が心の中で終わっていないような、そんな感覚があったんだと思います。
良かった記憶ばかりが浮かんでくる

不思議なことに、別れた後に思い出すのは、つらかったことよりも、楽しかった記憶や、優しくされた瞬間ばかりでした。関係の中でしんどかったことは、頭ではわかっているはずなのに、なぜか良い記憶ばかりが繰り返し浮かんでくるんです。
彼は、言葉でちゃんと愛情を伝えてくれる人でした。「大好き」「愛してる」と、当たり前のように言ってくれる人。「かわいい」も、本当にたくさん言ってくれました。記念日もなんでもない日も、バラの花をくれる人。そんな思い出ばかりが浮かんできて、別れてから一番つらかったのは、そう言ってくれる人が、もう誰もいないんだという現実でした。おはようも、おやすみも、もう誰も言ってくれない。それを受け入れるのが、本当に苦しかったんです。
だから私は、彼からのメッセージをずっと待っていました。「もしかしたら今日は連絡が来るかもしれない」と、毎日どこかで期待しては、来ないことにがっかりして、悲しくて泣いていました。
これは、寂しさが記憶の見え方を変えてしまうからなんだと思います。1人になった心細さの中で、相手の良かった部分ばかりが際立って見えてしまう。つらかった現実よりも、「あの頃は良かった」という感覚のほうが、強く残ってしまうんです。
本当に求めていたのは、彼ではなく「愛されていた自分」だった
今になって思うのは、あの頃、私が本当に考えていたのは「彼」そのものというより、彼と一緒にいることで満たされていた「何か」だったんじゃないかということです。もっと言えば、彼に愛されていた時の自分を、求めていたんじゃないかと思うんです。
一緒にいる時間、必要とされている感覚、寂しさが埋まっている安心感。そういうものが、彼との関係を通して満たされていたから、それを失った今、心にぽっかり穴が空いたような感覚になる。その穴を、無意識に「彼のことを考える」という形で埋めようとしていたんだと思います。相手のことを考えているようで、実は「愛されていた自分」を、考え続けることでなんとか埋めようとしていたんだと思います。
忘れようとするほど、逆に思い出してしまう

「もう考えないようにしよう」と意識すればするほど、かえって相手のことが頭に浮かんでくる。これも、当時の私がよく経験したことです。
考えないようにしようとすることは、結局「考えないようにしよう」と考えることでもあります。だから、無理に忘れようとするよりも、「今、こうやって考えてしまうくらい、あの時間は自分にとって大切だったんだな」と、その気持ちをいったんそのまま受け止めてあげるほうが、実は近道だったように思います。
傷ついた心を癒せるのは、自分自身しかいない
別れてから、私が本当に気づかなければいけなかったのは、この傷ついた心を癒せるのは、自分自身しかいないということでした。
新しい恋愛をすれば、この痛みは癒えるんじゃないか。そんなふうに思ったこともありました。でも今振り返ると、それは癒しているのではなく、ただ「考えないようにしている」だけだったんだと思います。夢中になれる何かがあれば、一時的に忘れられる。でも、向き合わずに蓋をした痛みは、結局どこかでまた顔を出してきます。
お互いのために、これが最善の道だと思って決めた別れでした。それでも、傷ついたことは事実です。
一生懸命頑張った。
悲しかった。
もっと一緒にいたかった。
彼のことを、すごく愛していた。
そして、今も愛している。
そういう気持ちを、無理に押し殺そうとせず、そのまま受け止めてあげること。
それができるのは、自分自身しかいないんだと思います。

たくさん考えて、たくさん泣く。それは、決して弱さではなく、自分を癒すための大切なプロセスなんだと思います。
だから、別れてから相手のことばかり考えてしまうのは、当然のことです。
それだけ深く、誰かを愛したということだから。それは、本当に素敵なことなんだと思います。
これが当たり前のことで、必要なことなんだと気づけるかどうかは、とても大切だと思います。
そう気づけないと、「いつまで引きずってるんだろう」「未練たらたらでダサいな」「カッコ悪いな」と、自分で自分を責めてしまいます。
でもそれは、ただ傷ついている自分から、目を逸らしているだけなんです。
彼のことばかり考えてしまう自分をそのまま受け入れる
彼のことばかり考えてしまう自分を、否定しなくていいんだと思います。「早く忘れなきゃ」「いつまでも引きずってちゃダメだ」と急かすのではなく、今はまだ彼のことを考えてしまう自分を、そのまま受け入れてあげる。それでいいんだと思います。
考えてしまう時間があってもいい。
涙が出る日があってもいい。
それは弱さでも、未練がましさでもなく、一生懸命に誰かを愛した証です。
悲しくて泣いている自分を、優しく包み込んであげてください。無理に前を向こうとするよりも、今の自分をまるごと認めてあげることのほうが、結果的に、次に進むための一番の近道になるんだと思います。
まとめ
別れてから相手のことばかり考えてしまうのは、決して意志が弱いからでも、未練がましいからでもありません。心がまだ変化についていけていないこと、そして、相手を通して満たされていた「愛されていた自分」を、今も無意識に求めていることの表れなんだと思います。
もし今、同じように相手のことが頭から離れずに苦しんでいる方がいたら、無理に忘れようとするより先に、「自分は何を失って、何を寂しく感じているんだろう」と、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいなと思います。それに気づけることが、次に進むための、小さな一歩になるはずです。

